【事例紹介】日系大手製造業のSAP海外ロールアウト支援(シンガポール・インド)

はじめに

本記事では、フリーランスSAPコンサルタントとして参画した、シンガポール・インドにおけるSAP海外ロールアウトプロジェクトの実績をご紹介します。グローバルテンプレートの導入を前提に、Fit/Gap分析、カスタマイズ支援、現地ユーザー向けトレーニングなど、幅広い工程に関与しました。


プロジェクト概要

クライアント情報

  • 業種:製造業(連結従業員数 約6,000名)
  • 対象国:シンガポール、インド
  • 対応モジュール:SD / MM / PP / FI / CO / AA(全モジュール対応)
  • 支援体制:5名規模のコンサルタントチームにて支援

担当業務と支援内容

Fit/Gap分析とファシリテーション

  • 各国拠点の業務要件を英語でヒアリング
  • グローバルテンプレートとの整合性を検証
  • 英語会議でのファシリテーション・議事録作成

SAPカスタマイズ・マスタマイズ

カスタマイズ設定項目例:

  • 会計系:会社コード、管理領域、原価センタ、利益センタ、セグメント、勘定科目表 など
  • ロジ系:プラント、販売組織、営業所、購買組織、出荷ポイント、MRP管理者 など

マスタマイズ項目例:

  • BPマスタ(BP)
  • 品目マスタ(MM01)
  • 作業区(CR01)・作業手順(CA01)・BOM(CS01)
  • 条件マスタ(VK11)・購買情報マスタ(ME11)

業務トランザクションの導入・トレーニング

SAP実機を使ったオンライン研修にて、現地のITユーザー向けに以下の主要トランザクションを指導:

ロジスティクス関連:

  • 受注処理:VA01
  • MRP関連:MD02, MD04
  • 購買:ME51N, ME21N, MIGO, MIRO
  • 生産:CO01, CO11N
  • 出荷・請求:V_V2, VL01N, VF01
  • 入金・支払:F-28, F-53

会計・管理会計関連:

  • 会計伝票処理:FB01, FV60, FV65
  • 消込処理:F-32, F-44
  • 残高照会:FBL1N, FBL3N, FBL5N
  • 原価計算・積上:CK40N, CKR1
  • COPAレポート出力:KE24N, KE30

プロジェクトでの工夫と気づき

  • Fit/Gap分析では、現地の商習慣や法規制も踏まえた柔軟な提案が求められました。
  • 英語での会議・研修では「業務プロセスに基づいた説明」「具体的な業務シナリオに即した操作デモ」を意識し、ユーザー理解を深めました。
  • フルモジュールを跨いだ影響調査や連携検証も多く、常にシステム全体を俯瞰する視点が必要でした。

まとめ

今回の案件では、単なるシステム導入支援にとどまらず、現地の業務とグローバルテンプレートの橋渡し役として、多くの学びと成長を得ることができました。

今後もSAP海外ロールアウトやグローバルプロジェクトにおいて、現場と経営の両方に価値を提供できる支援を続けてまいります。

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